パフォーマンスから見るSaintSnow【HAKODATE UNIT CARNIVAL】
さめです。
初めての投稿になります。
記念すべき初投稿の記事は、先月開催されたSaint Snow PRESENTS LOVELIVE! SUNSHINE!! HAKODATE UNIT CARNIVALについて。
パフォーマンスと演出の面から、思ったことまとめる。
断片的で短絡的かと思われるが、あしからず。
<イベント概要>
・タイトル
Saint Snow PRESENTS LOVELIVE! SUNSHINE!! HAKODATE UNIT CARNIVAL
・公演日程
Day.1 2018年4月27日(金)開場17:00/開演18:00
Day.2 2018年4月28日(土)開場12:00/開演13:00
・会場
函館アリーナ メインアリーナ
<DROPOUT!?>
大方の予測を裏切り、堂々の1曲目で一気にSaint Snowのステージに引き込まれたこの曲。
この曲で私が注目したのは、今までのラブライブ!のパフォーマンスにはおそらくなかったであろう、鹿角理亞役 佐藤日向さんがマイクスタンドを持つ鹿角聖良役 田野アサミさんの周りを回るパフォーマンス。
例えるなら、それはワルツ。
ただし、手は取り合わない。理亞から聖良への、一方的な舞踏のような振り付け。
この話をライブ後友人I氏にしたところ、ありがたいお言葉が。
「この曲、3/4拍子でちゃんとワルツなんですよね。」
今まで気がつかなかった。
となれば、このDROPOUT!?という曲は鹿角姉妹によるワルツ(円舞曲)
だ、という見方ができるのではないか。
ただ、ここで考えるべき点が一つ。
それは「手の取り合わない、一方的な」ワルツに見えたことだ。
それでは、鹿角姉妹は一体誰とワルツを踊ろうとしたのか。
DROPOUT!?の歌詞から考えてみると、
「闇に愛されてた」
「孤独がただ 今を引き裂いてる」
「誰を呼びたいの? 呼べばいいよ!」(DROPOUT!?歌詞より)
これらの歌詞から、鹿角姉妹は、自分が誰と踊りたいか分らないまま、「孤独」や「闇」と円舞を行っていたのではないだろうか。
また、別のアプローチから。
「ワルツ」というものが初めて国際的な場に現れたのは、1814年のウィーン会議のこと。
数か月の遅延を伴ったこの会議は、「会議は踊る、されど進まず」と揶揄された。
この「会議は踊る、されど進まず」という言葉、まさにSaint Snowそのものではないだろうか。
「ここまで来ても答えがわからない 迷いの中」
「つかんだはずの光は 本物じゃなかった」
「必ず手に入れるはずの輝きはどこにある?」(DROPOUT!?歌詞より)
彼女たちは必死に答えに向かって走り続けた。しかし、それは見つからない。
輝きも見えない闇の中、彼女たちのその「もがく姿」は皮肉にも、前に進むことのない、その場で回り続けるワルツに過ぎなかった。
このような解釈の仕方ができるのではないだろうか。
以上のことから、私はこの曲を"「答え」や「輝き」を見つけることができず、「闇」や「孤独」に踊らされた少女たちの姿を歌ったものである"、と感じた。
<CRASH MIND>
Saint Snowのステージはまだ終わらない。二曲目はCRASH MIND。
この曲で私が注目したのは、こちらも今までのラブライブ!のパフォーマンスにはおそらくなかったであろう、鹿角理亞役 佐藤日向さんの操り人形のように両手を上げ下げする振り付けである。
この振り付けは、CRASH MINDの歌詞から
「誰かのシナリオ Dreaming future」
「その傲慢な笑顔 大人のやり方ね」
「でも老獪さ気取る 大人は嘘つきね」
この「大人」という存在に提示されたシナリオを"操り人形のように"演じてるだけ、という表現だと考えられる。
また、「no more trick, no more trap!」の箇所で佐藤日向さんが両手でSの字を二回作ってSaint Snowを表現した点も、Lの字を2つ作るラブライブ!ならではの振付(後述)に対比させていて素晴らしかった。
<SELF CONTROL!!>
最後は、満を持して終盤の終盤で披露されたSELF CONTROL!!。
このときばかりは、背面の大型モニタに映し出されるアニメ映像と実際のパフォーマンスを見比べた方も多いのではないだろうか。
振り付けはアニメに準拠されており、完璧なシンクロを見せてくれた。
その中でも、私が一番生で見たかった振り付けがここだ。
「敵は誰?敵は弱い自分の影さ」 (歌詞より)
鹿角姉妹によるさまざまな方向を指でさす振り付けである。
なぜこの振付がみたかったか。それは、歌詞とフォーメーションから。
後ろから光に照らされる聖良、その前で踊る理亞。
このとき、後ろの光に照られた聖良の影はもちろん前にでき、その影は理亞と重なる。
つまり、聖良の「弱い自分の影」の役を理亞が演じている、という見方ができる。
しかし影であるのに、鹿角姉妹は常に違う方向を指さしている。
これは、弱い自分の影に反抗する姿。
歌詞にもあるとおり「弱い心じゃダメなんだと」という気持ちを、ステージの構成とフォーメーションと振り付けで見事に再現しているのである。
実際に、ライブでもライトを使い見事に再現していた。
<全体を通して>
①ある共通の振付
Saint Snowのパフォーマンス全体を通して思ったこと。まずは、Saint Snowの楽曲の振付には、ラブライブ!の楽曲としてあるべき(?)振り付けが確認できなかった。
それは、
「親指と人差し指で"L"の字を作り、そのまま腕を伸ばす振り付けが入っている」
という振り付けである。この振り付けはμ's楽曲やAqours楽曲で多く使用されており、
例で挙げると、
<μ's>
それは僕たちの奇跡のサビ「上を向いて」
ミはμ'sicのミのサビ「La-La μ'sical night!」
SUNNY DAY SONGのサビ「高く跳びあがれ」
<Aqours>
青空Jumping Heartのサビ「明日へと進んでる 青春まっしぐら」
君のこころは輝いているかい?のサビ出だし「君のこころは輝いてるかい?」
ダイスキだったらダイジョウブ!の出だし「目のまえのキミだってことさ」
・・・など、枚挙に遑がない。
もちろん、偶然なのかもしれないが、私は意図的に"L"の形を振り付けという振り付けにちりばめているものだと思っている(両手で"L"を二つ作ると"LL"="L"ove"L"iveだからか?)。
しかしSaintSnowは、前述したとおりSELF CONTROL!!、DROPOUT!?、CRASH MINDの3曲に上記の振り付けは存在しなかった。
②Saint Snowが1つになれた瞬間
「1つになれた瞬間」と銘打ったのにはわけがある。
それは、今回披露された3曲の中で「両手で1を作り(または、鹿角姉妹二人が片手で1を作る)、できた2つの1を引き離す」振り付けが多かったように思えるからである。
例として、前述したSELF CONTROL!!の鹿角姉妹によるさまざまな方向を指でさす振り付けがそうだ。
これは、鹿角姉妹がどこかで気持ちを1つにできなかったことの表れではないだろうか。
だが、最後の最後のでSaint Snowが1つになる瞬間が訪れる。
「ユメ語るよりユメ歌おう」で鹿角姉妹が持ち出したボンボンの色。
Aqoursは1人1色なのに対し、鹿角姉妹のボンボンの色はスカイブルー&ピュアホワイトの2色で作られていた。
この2色のボンボンを振って一緒に同じ歌詞、同じ歌ったあの時こそ、Saint Snowにとってやっと1つになれた 瞬間ではないだろうか。
佐藤日向さんの「10人のお姉様ができたみたい」というMC通り、あの瞬間ステージに立っていた11人は、「ラブライブ!サンシャイン!!」という1つのユニットだったのだ。
今回はここまで。読んで下さりありがとうございました。