【後半】物語を彩る曲たち【OSTから見るラブライブ!サンシャイン!!】

さめです。

今回の記事は、前回のOSTの記事の後半です。

(前回の記事はこちら

 

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今回も、特に私が感銘を受けたOSTとシーンの組み合わせを抜粋して紹介していく。

 6.2人から9人へ(1期11話)

後半1発目は1期11話「友情ヨーソロー」から。

 わざわざ曜の自宅へ来た地下を、曜が涙を振りきり玄関へ走っていくシーン。

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「 絶対曜ちゃんとやり遂げるって。」(桜内梨子

 このシーンで流れる、静かに始まる旋律。このサントラのタイトルが「DETERMINATION」だ。

直訳すると「決意、決心」となり、スクールアイドルは絶対曜と一緒にやる、という千歌の決意を見事に表現している。

 

このシーンでも充分素晴らしいのだが、このサントラはここからシーンをまたぐ。

想いよひとつになれ」の直前まで続くのである。

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 「千歌ちゃんにとって、『輝く』ということは自分1人じゃなくて誰かと手を取り合いみんなで一緒に輝くことなんだよね。」(渡辺曜

2人のシーンから9人のシーンへ。

このシーンまたぎが、このサントラに新たな意味を見出している。

先述した千歌の「決意」が、9人の「決意」、つまり「スクールアイドルをこの9人で一緒にやりとげること」になった、とは考えられないだろうか。

 

1人の決意(=想い)は9人の決意(=想い)につながる。それこそがこのシーンをまたいで使われるサントラ「DETERMINATION」の真骨頂であると感じた。

だからこそ、この後披露される曲が「想いよひとつになれ」なのである。

 

(余談だが、梨子が作ったシュシュも、「バラバラなものを1つに束ねるもの」という観点で想ひとにつながるという見方ができる)

 

 7.或る、晴れた日のこと(1期7話、1期12話)

と、銘打ったが決して某アニメ作品のエンディングではない。

次は2つの話、1つ目は1期7話「TOKYO」、2つ目は1期12話「はばたきのとき」から。

 

まずは1つ目、1期7話「TOKYO」より。

なれない東京へ向う前、少々奇抜な服装を披露する千歌のシーン。

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「 東京スカート!東京シューズ!そして、東京バッグ!」(高海千歌

 このシーンで流れる、浮かれ拍子なアップテンポのサウンド。

タイトルは「It's a sunny day!」。

 

この場面のサントラになぜ感銘を受けたかというと、それはこのシーンとストーリー展開からある曲が浮かび上がってくるからだ。

 

「東京」。

「オレンジ、赤、黄の暖色系の服」に身を包んだ千歌。

サントラのタイトルは「It's a sunny day!」。

 

この3点から連想される曲。

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「SUNNY DAY LIFE SUNNY DAY LIFE 輝きになろう」(歌詞) 

 そう、SUNNY DAY SONGが浮かび上がってはこないだろうか。

μ'sとA-RISEと、スクールアイドルみんなで作った、スクールアイドルのための曲。

その曲は朽ちること無く、この世界においてもまだあの場所に存在しているのだという、OSTと衣装とストーリーによるアプローチ。

 

ちなみに、1期12話で次は9人で東京に行くことになるわけだが、冒頭の東京駅のシーンでもこの「It's a sunny day!」が使われている。

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「皆さん!心をしっかり!負けてはいけませんわ!」(黒澤ダイヤ

 

8.階段の先にあるもの(1期3話、1期7話、1期12話)

次は3つの話から。

1つ目は1期3話「ファーストステップ」、2つ目は1期7話「TOKYO」、3つ目は1期12話「はばたきのとき」から。

 

まずは、1期7話「TOKYO」より。

神田明神へ到着し、階段を駆け上がるシーン。

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「これが、μ'sがいつも練習していたっていう階段!」(黒澤ルビィ) 

このシーンで流れる、まるで雲の切れ間から光が差し込むような壮大なサントラ。

タイトルは「輝きへの階段」。

このサントラが初めて使われたのは1期3話。ダイスキだったらダイジョウブ!を披露している最中のシーンである。

 

この場面のサントラになぜ感銘を受けたか。それはタイトルどおり階段を駆け上がるシーンで使われていることともう1つ。サントラの後半から使われていることである。

 

というのも、この「輝きへの階段」、大きく分けて二部に分けることができる。

0分00秒~0分06秒までの、低い連続音からだんだんと大きくなっていく箇所(仮にAパートとする)と、それ以降のゆったりした、まるで賛美歌のような美しい音色を奏でる箇所(仮にBパートとする)。

 

これ、Aパートの旋律から「輝く世界へつながる果てしない暗い階段を必死に登っている姿」、Bパートの旋律から「階段を上りきった先、輝ける世界に包まれた姿」が想像できないだろうか。

 

この仮説を1期3話から見てみることにする。

1期3話では「輝きへの階段」が最初から(Aパート)から流れる。

μ'sを目指して、スクールアイドルという輝く世界に続く階段を我武者羅に上り、初めて立ったステージ。

 

そして「輝きへの階段」のBパート。

その階段の先に待っていたものは、まばゆい光景。

生徒だけでなく街の人も含め、「内浦」という地が作りだした輝ける世界だった。

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「ほんとだ。私・・・バカチカだ。」(高海千歌) 

 このように読み解くことができるのではないだろうか。

そして、この後すぐのダイスキだったらダイジョウブ!の歌いだしが「キラリ!ピカリ!」。

スクールアイドルという階段を登って、登りきって、初めて輝ける世界に出会った歌詞としては申し分ない。

このように1期3話では、Aqoursとしての初ステージを「輝きへの階段」と表現している。

 

さて、話を戻して1期7話。この神田明神のシーンではBパートから流れる。

なぜいきなり、登りきった後の輝ける世界であるBパートから流れるのか。

それは、このシーンでの「輝きへの階段」が示すものが今神田明神の階段を登っているAqoursではなく、スクールアイドルたちの太陽と言うべき存在になったμ'sであるからではないだろうか。

 

つまり、このシーンでの解釈はAパートがラブライブ!優勝を目指して神田明神の階段を駆け上ってトレーニングしていたときのμ's、Bパートが優勝してスクールアイドルたちの輝きの象徴となった後のμ's、と読み取ることができる。

 

そしてAパートは流れない。それは、Bパートが示すとおりこの世界におけるμ'sはすでにスクールアイドルの輝きの象徴となった後であるからだ、という結論に至る。

 

そして最後に1期12話。

この話では、「輝きへの階段」はAパートから使われている。

 

まず「輝きの階段」Aパート。

UTX学園のモニタにラブライブ!の決勝のステージが発表されるシーン。

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「ちょっと、想像できないな。」(高海千歌) 

ここで彼女たちは、登り続けた階段の先にAKIBA DOMEという大舞台が待っていることを改めて認識させられる。

つまりここでのAパートは、「AKIBA DOMEという輝ける世界に向かって再びその世界へ通じているであろう階段を上り続けるAqours」という見方ができる。

 

次に「輝きへの階段」Bパート。

無論、上記のシーンのすぐあとから始まるわけだが、最終的にたどりつくのは「階段」の頂上で待ち受けるこの景色。

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「ここが、μ'sのいた ・・・」(高海千歌

ドーム大会で優勝し、輝ける世界にたどり着いたμ'sが唯一残したもの。

μ'sがその輝きと、諦めない気持ちと、信じる力で守った場所。

そう、音ノ木坂学院である。

これがこのシーンの「輝きへの階段」Bパートが示すものではないだろうか。

 

9.物語の夜明け(1期1話、1期10話)

次は2つの話、1つ目は1期1話「輝きたい!!」、2つ目は1期10話「シャイ煮、はじめました」から。

 

まずは1つ目、1期1話「輝きたい!!」より。

過去の回想、千歌と曜が2人で秋葉原にきたときのシーン。

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「うわぁ・・・・!」(高海千歌) 

このすべてが始まりそうな、かけ足をしたくなるような良いテンポのサウンド。

この曲のタイトルが「舞い降りた奇跡」である。

 

偶然か運命か、風がチラシを運んだその先。待ち受けているのはUTXのモニタに映るLoveLive!の文字。

千歌とスクールアイドルの出会いの瞬間。

これが千歌にとって「舞い降りた奇跡」なのである。

 

このシーンを踏まえ、1期10話「シャイ煮、はじめました」のシーンを見てみよう。

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「私たちはラブライブの決勝を目指しているんでしょう?」(小原鞠莉

 なぜかこのシーンで「舞い降りた奇跡」が使われている。

しかも、隣のきれいな海の家を「都会の方々」呼ばわりし、妙に力が入っているダイヤ。

 

この「都会の方々」 = 都会のスクールアイドルとみると、上記の1期1話の対比だとは考えられないだろうか。

黒澤ダイヤが1年生だったころに訪れた秋葉原で出会った奇跡。

それは千歌と同じような出会い方だったのではないだろうか。

 

あの場所で、黒澤ダイヤに舞い降りた奇跡。そして果南を誘い、鞠莉を誘い。

Aqoursは、μ'sへの憧れと、「都会のスクールアイドルに負けない」というダイヤの熱い情熱から始まった。

さらに、サブタイトルも「シャイ煮、はじめました」、つまり「輝きはじめました」。

つまり、輝きに向かって走り出した3年生3人の姿をさしているのではないだろうか。

 

そんな、アニメでは描かれなかった情景を髣髴とさせるような素晴らしいサントラの使い方をしているのがこのシーンである。

 

10.みんなで一緒に(Aqoursクラブ活動 LIVE & FAN MEETING)

OSTが使われているのは、決して劇中だけはない。

Aqoursクラブ活動 LIVE & FAN MEETINGでも、OSTは素晴らしい意味をこめて使われていた。

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Aqours クラブ活動 LIVE & FAN MEETING 開催概要

皆さんは、ライブパート中、2回の小休憩があったことを覚えているだろうか。

そして、その小休憩中にサウンドトラックが流れたことも。

 

1つ目は、激しいギターの旋律が奏でるアップテンポな曲。

2つ目は、ゆったりした日常で流れるような曲。

 

1つ目のサントラのタイトルが「Riko jump High!!」、2つ目のサントラのタイトルが「LET'S GET DOWN」である。

 

なぜこの2曲なのか。それは、この2曲がAqoursからのメッセージとなっているからである。

 

まず、「Riko jump High!!」。劇中では梨子がしいたけと格闘(?)するシーンで使われるわけだが、ファンミでは後半の「jump high」だけとって「高く跳べ」。

次の「LET'S GET DOWN」。劇中では1期1話で千歌が花丸を誘うシーンなど、多岐にわたって使われいる。この「LET'S GET DOWN」、スラングとして使うと「ダンスしよう!」という意味になる。

 

つまり、この2曲から「一緒に踊って、高く跳ぼう!」というAqoursのメッセージを垣間見ることができるのだ。

 

このメッセージはテーマソングとなったLanding action yeah!!からも裏付けをすることができる。

「さあみんなでCall&Dance!」、「もっと高くねJump!」の歌詞がそうだ。

 

 

Landing action yeah!!に込められた想いをさらにサントラで表現する。

このサントラのおかげで、たとえ目の前で曲が披露されていなくても、私たちとAqoursの想いはライブ中と同じようにひとつになることができたのだ。

 

 

OSTから見るラブライブ!サンシャイン!!の記事は以上となる。

ここまで列挙してきたように、サントラが私たちに教えてくれることはとても多い。

もちろん劇中歌は大事だが、たまにはサントラを気にしてアニメを見直すのもいいのかもしれない。

もしかしたらそこには、まだあなたが知らないラブライブ!サンシャイン!!の景色が広がっているのかも知れないのだから。

 

P.S.今日見直してたらまた新たな発見をしたので、またOST関連の記事あげます。