【後半】劇場版ラブライブ!サンシャイン!!感想

長らくお久しぶりです。さめです。

「お前、まだブログ書く気あったのか!」と思われるくらい久々の更新となりました。

 

今回は先月公開となった劇場版ラブライブ!サンシャイン‼The School Idol Movie Over the Rainbowについて、想ったこと・好きなところをシーンごとにつらつら書いていこうと思います。

※こちらの記事は後半です。

※「後日記載」としてる箇所は読んで字の如く後日記載予定の項目です。どうしてもスタッフトークまでにこの記事をアップしたかったのでそうしています。。。。

 

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ロゴ

 11.ドゥオモ

また場面は変わり、コンタリーニ・デル・ボーボロで鞠莉からもらった手がかりを元に、フィレンツェのドゥオモと呼ばれる巨大な聖堂にたどり着いた7人。

 

ここで好きなのは、ドゥオモの天蓋に登り、眼下に広がるイタリアの町並みを「変わらない」と表現した月のセリフだ。

 

なぜ好きかというと、このセリフに対して反対に「変わっていく」と表現したシーンが過去に存在したからだ。

 

それは、劇場版ラブライブ!

 

ニューヨークの町並みと秋葉原を重ねたシーンだ。

このセリフにより、「変わるもの象徴」としての秋葉原とNY、「変わらないものの象徴」としてフィレンツェと沼津という構図ができあがる。

 

また、アメリカ・イタリアという観点とヴェネツィアでの「車は通れない」というセリフから、ヴェネツィアを擁するイタリアという国では3年生は自由を奪われる。それに対して自由の国という代名詞をもつアメリカ、という見方もできる。


「イタリア系アメリカ人を父にもつ」という鞠莉の設定は、この見方により"自由(アメリカ)"と"不自由(イタリア)"を併せ持つという面白い境遇を提示してくれる。

 

12.鞠莉の別荘~鞠莉ママ到着

シーンは次へ。7人はようやく3年生のいる別荘にたどり着くも、鞠莉ママに見つかってしまう場面。

 

ここで面白いのは、鞠莉が「スクールアイドルはくだらなくなんかない!」と叫んだときの各キャラの物理的な立ち位置だ。

 

簡易的に図にしてみると、以下のようになる。

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キャラの立ち位置

扉、鞠莉ママ、そして9人の立ち位置がこうだ。

鞠莉の手を引っ張って暗い扉の先に連れていこうとする鞠莉ママ。

鞠莉側に立つAqours

 

この立ち位置の何が面白いのか?

それは、この図に時間軸を置いてみるとよく分かる。

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キャラの立ち位置(時間軸あり)

先ほどの図に時間軸を加えてみたのが上図である。

 

鞠莉ママと鞠莉がいるあたりを「今」という時間軸で考えてほしい。

鞠莉ママは、薄暗い扉がある「未来」へと今の鞠莉を引っ張っていこうとする。

対して鞠莉は、今、自分がここにいるのは自分の「過去」、つまり軌跡にAqoursという存在がいてくれたためで、Aqoursが自分の軌跡を作った、Aqoursに育ててもらったことをこの立ち位置で示している。

 

そんな風に感じ取れないだろうか?

 

また、このシーンの対比となる箇所がHop?Stop?Nonstop!の終わった後となるわけだが、その図解はそちらを参照されたい。

 

13.理亞の部屋

そんなイタリアのシーンから数千キロも離れた函館。

聖良が、Aqoursがイタリアでライブをやる連絡を受け理亞に報告をするシーンだ。

 

ここで好きなのは、理亞の「お願いだから明かりを消して」という理亞にしては珍しく弱気な発言だ。

 

このときちらっと映る理亞のスマホの画面が、スクールアイドル勧誘が難航していることを物語っているわけだが、こうした理亞の状況に対して、まだAqoursは9人でライブをやる、という。

 

このとき理亞の気持ちは、Aqoursに対して羨望、そして少しの妬みがあったのかもしれない。

そんな、まだ9人で輝こうとするAqoursの存在は、1人ぼっちで新たなスクールアイドルを始めようとする理亞にとって眩しすぎた。

 

つまり、理亞の「お願いだから明かりを消して」とは、「(Aqoursの存在が眩し過ぎるから)お願いだから明かりを消して」という意味にとれるのではないだろうか。

 

14.Hop?Stop?Nonstop!終了後

Hop?Stop?Nonstop!の感想は別途書くとして(汗)、シーンは曲終了後の鞠莉ママ・鞠莉の場面へ。

 

このシーンも、各キャラの物理的な立ち位置が面白い。

 

再び簡易的に図にしてみると、以下のようになる。

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キャラの立ち位置

少し簡易すぎたが、おおざっぱにこんな感じだ。

ライブが終わった9人、階段下から登って来る鞠莉ママ。

 

さて、この図にも時間軸を置いてみるとこうなる。

 

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キャラの立ち位置(時間軸あり)

こちらも、鞠莉ママと鞠莉がいるあたりを「今」という時間軸で考えてほしい。

鞠莉ママは、スクールアイドル活動を始める前の過去の鞠莉を想い浮かべながらライブを見ていることだろう。

対して鞠莉は、「私の一部なの」というセリフの通りこれからの未来にもAqoursは変わらず鞠莉の中に存在し、自分たちだけでこの先の未来を歩んでいけることをこの立ち位置で示している。

 

そしてこの後、感銘を受けた鞠莉ママは、Aqoursの手前の階段を上っていくわけであるが、このシーンを「鞠莉ママが自分自身の道を歩み始めた」と捉えると

 

「鞠莉ママは鞠莉という存在から、鞠莉は鞠莉ママという存在から解き放たれた」

 

ということが言えるのではないだろうか。

 

小原家という大きな籠に閉じ込められた二羽の鳥が、大きな空へと飛び立っていった。

 

そんな情景が思い浮かぶような、素晴らしいシーンだと感じた。

 

15.千歌と梨子、作詞のシーン

やっとイタリアから沼津に戻ってきたAqours6人。

分校を訪ね、ステージのイメージに驚愕したのち、千歌と梨子の作詞のシーンのとある個所が私の好きなポイントだ。

 

そのポイントとは、梨子の「いうこと聞きなさい」というセリフ。

 

セリフの通り、しいたけは梨子の静止を聞かず吠えまくるわけだが、このシーンは次の千歌の部屋に入る梨子のシーンにかかっている。

 

このシーンで千歌は梨子が入ってきたことに気付かず、梨子が言ったことに対して聞いていなかったように「ごめん」と軽く謝る。

 

ここ、しいたけと飼い主が同じ反応をしているのがとても面白い。

つまり、しいたけも千歌も梨子の「いうこと」を聞いていないわけだ。

 

ペットと飼い主は似る、というがそんなシンクロが垣間見えた1シーンだった。

 

16.松月

そしてまたシーンは飛び、松月で9人が話すシーンへ。

ここは誰もが涙したであろう、ルビィの成長が一番見てとれる珠玉のシーンとなっている。

 

ここで好きな場面は、理亞の想いを言いきって震えるルビィの手を抑える三人がダイヤ、花丸、善子だというところ。

 

この3人、いずれも函館でルビィの成長を目の当たりにした3人なのだ。

 

あの弱気だったルビィが、スクールアイドルを経て成長し、函館ではセンターで踊るようになった。

でも、まだ少し怖がりなルビィのハートを、「大丈夫だよ」と優しく包み込むような3人の手は、ルビィにあの時の勇気を思い出させたことだろう。

 

17.理亞の回想~走り出すシーン

(後日記載)

 

18.Believe again

(後日記載)

 

19.Brightest Melody

函館から飛んだ羽根が青色に変わったとき、彼女たちの最大の輝きは始まる。

この曲に何度泣かされたことか。Brightest Melodyの始まりである。

 

この曲は後々別記事で書く予定(ホントに。書きます。)なので細かい内容は割愛して、演出で感じ取ったワンポイントをここに書こうと思う。

 

それは空に対する違和感。

すでに赤らんでいる空。

そして曲中で太陽が昇り、Aqoursを後ろから照らしていく。

すごくラブライブ!サンシャイン!!にマッチした演出だと感じたが、ちょっと待ってほしい。

 

この曲の前のシーンはどこだったか。

そこの空はどうなっていたか。

 

この曲の前は星空が広がる函館。

 

もしあれが太陽であるならば、日の出の時刻が沼津とほぼ同じ函館の空は、沼津と同じく赤らんでいなければおかしい。なのに函館の空には星空が広がるのみである。

  

じゃあ、太陽でなければあの光は何か。

その問いのヒントとなったのは、月の「超新星」という表現だ。

 

超新星」という単語、「最大の輝き」という状態・・・

 

連想するのはただ一つ。「超新星爆発」だ。

その星が一生を終える時に、最大に光り輝く瞬間。

 

あれは9人のAqoursという星の、超新星爆発の光。

 

そして、Brightest Melody終了後ちらっと映る函館の空は赤らんでいた。

それは、星空が広がっていた函館の空にもAqoursの最大の輝きが届いた、ということに他ならない。

 

そんな最大の輝きに、私はいつも涙してしまうのである。。。

 

20.浦女に戻るシーン

(後日記載)

 

21.Next SPARKLING!!

(後日記載)

 

22.そして、明日へ(浜辺)

感動に浸っているうちに、静かに訪れた砂浜のラストシーン。

映倫マークが出て終わったかのように見えたこの映画は、次の始まりを提示してくれた。

 

女子生徒二人がこの前の沼津であったAqoursのライブの話をしている。

そして片方の女子生徒(女子生徒A)が「私も輝きたい!」と言い出す。

もうセリフと情景だけで涙が止まらないこのシーンだが、私がさらに感銘を受けたのはこの女子生徒二人のキャスティングだ。

 

スタッフロールから察するに、この2人は「女子生徒A」、「女子生徒B」という名でクレジットに乗っている。

演じているのはそれぞれ林鼓子さん、田口乙葉さんだ。

 

まずは女子生徒B役、田口乙葉さん。

田口さんが所属している事務所はアミューズであり、この事務所は他に佐藤日向さん、田野アサミさんが在籍している。実質SaintSnowの事務所といったところか。

ラブライブ!サンシャイン!!とのつながりを感じさせるようなキャスティングだ。

 

次に女子生徒A役、林鼓子さん。

林さんは静岡県出身。そして、なんと声優になった切欠は「小学生のときに見たラブライブ!」である。そんなリアル千歌ちゃんのような林さんは、現在、Wake Up, GIrls!の妹グループである声優ユニットRun Girls, Run!でセンターを務めている。

 

そして偶然にも、田口さんと林さんの生年月日は同じ、2002年5月15日の16才、リアル女子高生ときた。

 

そんな林さんの口から発せられる、「輝きたい!」というセリフ。

 

これ以上説得力のあるセリフが言えるキャスティングがあるだろうか。

 

確かに、ラブライブ!サンシャイン!!はキャスティングにこだわる節はあった。

 

たとえば、2期9話で飛行機内で叫ぶダイヤに対して「お客さまー!」と注意を促すキャビンアテンダント役は、ちゃんと北海道出身の声優(山北早紀さん、通称さきさま)を起用していたりする。

 

だが、このキャスティングは破壊力が強すぎる。

静岡県出身の、ラブライブ!を見て夢ができ、それをかなえた少女にこんなセリフを言わせるとは・・・。

 

μ'sの想いを受け取り、Aqoursの輝きを目の当たりにした少女たちが紡ぐ、新たなスクールアイドルの歴史。

 

その道はきっと、燦然と煌いていることだろう。

 

 

以上、かいつまんででしたが私の劇場版の感想でした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。