虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第4話「未知なるミチ」感想
こんにちは。さめです。
今回はタイトル通り、
テレビアニメ
の感想を綴るシリーズです!
というわけで、今回は第4話「未知なるミチ」をみて思ったこと、考えたことをまとめてみました。
読んでいただけると幸いです!
- 1.DIVE!後
- 2.ベンチのシーン①
- 3.部室のシーン①
- 4.部室のシーン②
- 5.屋上のシーン
- 6.部室のシーン③
- 7.レコーディング室のシーン
- 8.部室のシーン④
- 9.ベンチのシーン②
- 10.教室のシーン
- 11.愛の家ーレインボーブリッジのシーン
- 12.サイコーハート後
- 13.部室のシーン⑤
1.DIVE!後
冒頭は前回の続きから始まりましたね。
DIVE!を目の当たりにした、愛と璃奈のシーンからです。
ここで彼女は、盛り上がる周りの生徒を横目で見ながら心の中でこう呟きます。
「(屋上から聞こえる音に盛り上がっているみんなを見て、自分も未知なるミチにチャレンジしてみたいって、そう思ったんだ・・・!)」
このシーンで印象的なのは、「みんなを見て」という言葉。
そして、空に向けて伸ばした手。
彼女が一番に注目したのは、セリフ通り「パフォーマンスをすることで盛り上がる聴衆」。
つまり、彼女はこの時点で「みんなを楽しい気持ちにさせる力」をスクールアイドル問う概念に見出していることがわかります。
また、手を伸ばす先は優木せつ菜のステージではないんですよね。
「自分も未知なるミチにチャレンジしてみたい」という言葉の通り、彼女はせつ菜のステージを見て自分を奮い立たせています。
ここ、「優木せつ菜のようなスクールアイドルになりたい」とはならない点に虹ヶ咲らしさ、そして愛らしさを感じました。
敢えてこのシーンでの彼女の願いを書くなら、
「私も聴衆を盛り上げられるようなスクールアイドルになりたい」
といった感じでしょうか。
いずれにせよ、「スクールアイドル」という概念とのファーストインプレッションで「未知なる世界」へと駆けだした彼女にポテンシャルに驚くばかりです。
手を伸ばした果てない大空は、そんな彼女の無限の可能性を示しているのかもしれませんね。
2.ベンチのシーン①
そして野外のベンチのシーンへ。
ここで、互いにスクールアイドルをやってみたい気持ちが互いにあることを確認する二人。
愛に
「どうする?やってみる?」
と尋ねられたときに、はんぺんが「にゃー」と鳴くのは、璃奈の感情の高まりを表しているのでしょうか。
また、このシーンで気になったのがベンチに座る二人の距離です。
ベンチの長さにもよるとは思いますが、他のシーンに比べて妙に二人の間に距離が保たれているように感じました。
(↓2話より。サブバックを置いているとはいえ、2人の距離は近い。)
この距離は、そのまま「スクールアイドルに対する熱量」の距離感なのかぁと思いました。
ただ、決して愛に比べて璃奈の熱量が低い、というわけではありません。
愛が猪突猛進している、というアプローチなのだと思います。
まるで、家にあるおもちゃを遊びつくした子供が新しいおもちゃを発見して大喜びするかのごとく。
自分の未知なる世界にまだまだ楽しいことがあることを知ることができた喜びが、彼女の背中をグイ、と押しているような印象を受けました。
3.部室のシーン①
そして次は部室を掃除するシーンへ。
どうやら、スクールアイドル同好会は部室を手に入れたようですね。
あれだけ広い部室棟。やはり空室もあったのでしょうか。
そして驚いたのが部室の広さです。
音ノ木坂学院、浦の星女学院と比べても広さは2倍はあるかなぁという印象です。
(音ノ木坂学院アイドル研究部)
(浦の星女学院スクールアイドル部)
さすがはマンモス校・・・といった広さですよね。
また、このシーンで印象的なのは「スクールアイドル同好会」というネームプレートがかすみの手によってかけられるところです。
2話で中須かすみがネームプレートにいろいろと書き足したため、「新たに」作られたこのネームプレート。
そんなネームプレートの経緯は、「新しい」スクールアイドル同好会の誕生に重なるところがありますよね。
また、「菜々の手によって取り去られ、かすみの手によってふたたびかけられる」という観点も、1話~3話のストーリーをなぞっているようで面白いですよね。
このせつ菜ーかすみの関係性を思わせるシーンは以下の立ち位置にもあります。
この「ドア側のかすみ、通路側の優木せつ菜」という立ち位置は、二人がすれ違って瓦解したシーンと逆ですよね。
互いの立ち位置がいれかわる。
これは、2人ともお互いの気持ちを理解したことの表れなのかもしれません。
そして、部屋の外に出た一同に愛と璃奈が合流します。
ここで気になるのは2点。
1点目は、同好会の部室の場所が変わったのに愛がその場所を知っていたことです。
第1話と比較としても、あきらかに場所が変わっていることがわかります。
(第1話では廊下の角、第4話では廊下の途中)
第1話の時点でも、愛は部室の場所を知っていたのでそこまで違和感はありませんでしが。
あえて考えるのであれば、
部室の場所を知っていたのは同好会の動きをチェックしていたからでしょうか。それとも、彼女のネットワークの広さからなのでしょうか。
2点目は、以下のやり取りからです。
かすみ「それじゃ、スクールアイドル同好会、はじめま・・・」
愛「やっほ~!」
愛と璃奈の登場により、かすみが号令を言いきれなくなってしまったこのシーン。
これはまるで、スクールアイドル同好会始まりの号令は愛と璃奈、そしていつか加わるであろう果林を含めた10人がいないと下せない、ということを表現しているようです。
そして話題は二人が入部に踏み切ったエピソードへ。
愛の
「この前の屋上ライブみて、なんかドキドキしてきちゃってさ~」
というセリフに、頬に朱色が差す優木せつ菜。
ライブ前に侑から伝えられた「大好き」、そしてライブ後に愛から伝えられた「ドキドキ」。
せつ菜のこの表情は、自身のステージがいろんな人にいろんな感情を与えることができたことに対する喜びなのだと思います。
また、この愛のセリフに対して侑は手を取り
「分かるよ!トキめいたんだね!」
と興奮気味に話しかけます。
この侑の言動から、愛の感じた「ドキドキ」は「トキめいた」ということの証拠である、という「『トキめく』ということの定義」を提示してくれたような印象を受けました。
そしてこの場面最後の愛のセリフ。
「ところで、スクールアイドル同好会って何するの?」
このセリフこそが、第4話の主なテーマですよね。
これを愛が一番最初に提示することによって、愛の成長と共にこのテーマを掘り下げていく、という流れが自然に生まれてきますよね。
部室にたどり着くために彼女が登った階段も、まるで宮下愛という人間の新たな世界へのステップアップのように感じ取りました。
4.部室のシーン②
そしてシーンは再び部室のシーンへ。
ホワイトボード×スクールアイドルという構図は、ラブライブ!シリーズの伝統芸能(?)ですよね。
この後の各メンバーのやり取りから、ホワイトボードに書かれた「ライブがやりたい」という想いは全メンバー共通の意識であることがわかります。
ですが、ここからが「虹ヶ咲らしさ」の本領発揮です。
かすみ「かすみん、全国ツアーがやりたいです。」
エマ「みんなと輪になって踊りたいなぁ~。」
しずく「曲の間にお芝居をいれるのはどうでしょう?」
彼方「お昼寝タイムもほしいな~。」
せつ菜「みんなの大好きを爆発させたいですね!火薬もドーンと派手に使って!」
歩夢「私はもっと可愛いのがいいな。」
まさに「十人十色」とはこのことですよね。
「ライブがやりたい」という1つの想い。
「どんなライブがしたいか」で分かれるそれぞれの想い。
この2つの想いがハッキリ描かれるところがすごく虹ヶ咲らしいですよね。
まさに「仲間でありライバル」とはこういうところなんだと思います。
そして、これを見た愛に
「みんな、言ってることは全然違うけど、すごいやる気だね~。」
と言わしめるほどの大熱弁大会会場と化した部室。
ここに一石を投じるのが、以下のやり取りでした。
侑「ちなみに、二人はどう?」
愛「う~ん、なんだろうね。とにかく、楽しいのがいいかな!」
このやり取りで、議論に白熱していたメンバーが「ハッ」と何かに気付いたような表情になります。
この後の歩夢、せつ菜のセリフからも推測できるとおり、この「楽しいライブ」という観点はこれも全員共通の認識なのだということがわかりますよね。
そして、気になるのがこのシーン。
せつ菜「最初は人も集まらないかもしれませんが、いつかたくさんのファンの前で歌えるようになりたいですね。」
このシーンで彼女はかすみの方を向くんですよね。
これ、おそらくせつ菜はかすみに対して
「キリがないからいったんまとめて」という気持ちを伝えるアイコンタクトなのだと思います。
譲れない「やりたいこと」をぶつけ合った2人の間には、ここまでの信頼感や友情が芽生えている、という証拠なのでしょうか。
いずれにせよ、この2人の間には固い友情、そして「負けたくない」というライバル意識が生まれているのだと感じました。
5.屋上のシーン
そしてシーンは屋上で柔軟をしているメンバーの場面へ。
ここで急に果林が登場します。おそらくエマが連絡をしたんでしょう。
彼女曰く
「まぁ。時間があるからいいけど。」
とのことでしたが、やはり本心としてはエマを助けたいという気持ちからなのでしょうね。
また、「時間がある」ということから彼女がどの部活にも所属していないことがわかります。
(スクスタの設定どおり彼女が読者モデルをやっていて、偶々この日が仕事がなかった、という可能性もあります)
そして、エマ・果林に変わって今度は見事な前屈を見せた愛が璃奈・彼方の前屈を手伝うシーンへ。
愛の的確なアドバイスを受けた2人は、先ほどより体を屈めることができるようになります。
そして、この時の愛のセリフが好きなポイントです。
「どう?ちょっとでもできると楽しくない?」
彼女は「楽しい」ことを探し、見つける天才だということは薄々描かれていましたが、その「見つけた楽しさ」を誰かに伝えることもできるんですね。
この能力が、後々彼女のライブへとつながっていくと思うとなんだかワクワクしますよね。
そして、ここからは果林が掘り下げられます。
彼方「そういえば彼方ちゃん、てっきり果林ちゃんも同好会に入ると思ってたよ~。」
果林「ん?そんなわけないでしょ。私はエマの悲しむ顔が見たくなかっただけよ。」
「エマの悲しむ顔が見たくなかった」という果林の言葉に対し、疑惑の眼差しを向ける3人。
やはり、果林が「スクールアイドルをやりたい」「楽しい」という気持ちを持っていることを示唆しているのでしょうか。
もし果林がスクールアイドルを始めるとして、「エマとの友情」という観点から「誰かの悲しむ顔を見たくない」という気持ちが彼女の描くステージへと昇華されたら面白いですよね。
また、このやりとりの直後に愛が微笑むのは、果林の中に生まれた「楽しさ」を見抜いたから、なのかもしれません。
6.部室のシーン③
そしてシーンはまたまた部室のシーンへ。
まず目に飛び込んでくるのが、ホワイトボードの誤字。
訂正後の文字(概)が明らかに書体が違うことから、おそらくしずくが直したのではないでしょうか。
また、せつ菜から無断で拝借してきた眼鏡も、やはりかすみがせつ菜に対して燃やしているライバル意識の現れなんだと思います。
(スクスタではそのようなアプローチが多かったですよね)
そして、かすみはしずく・愛・璃奈にこの質問を投げかけます。
「スクールアイドルには何が必要なのか答えなさい!」
まずはしずくの回答。
しずく「え~と、自分の気持ちを表現すること?」
かすみ「正解。」
しずく「あっ・・・正解なんだ・・・」
「正解なんだ・・・」と口にしたこと、そして考える素振りからも、しずくはスクールアイドルを難しく考えすぎている気がしますね。
次に璃奈の回答がこちら。
璃奈「ファンの人と気持ちをつなげること?」
かすみ「せいか~い!」
もう説明不要ですよね。本当に璃奈らしい答えだと思います。
また、璃奈も正解したことに対してしずくは思わず
「(正解は)ひとつじゃないんだ・・・」
と口にしてしまいます。
この璃奈とかすみのやり取りにより、しずくのセリフ通り「スクールアイドルに必要なもの」はひとつではないことが提示されました。
そして極めつけは愛の回答。
愛「!? あはは・・・ごめん!分かんないや!」
かすみ「ピンポンピンポ~ン!それも正解で~す!」
このやり取りで、「スクールアイドルに必要なもの」は分からなくてもよい、という問いを根本からひっくり返すようなアプローチがなされましたね。
「スクールアイドルに必要なもの」。
それは1つではないし、わからなくてもよい。
つまり「答えがないこと」こそが正解なんだとかすみは訴えているのだと思います。
また、個人的にはスクールアイドルに必要なのはある意味「やりたい気持ち」だと思っています。
所謂「できるかどうかじゃない。やりたいかどうかだよ!」ってやつですね。
そして、彼女たちはその気持ちを持っているからこそ部室にいるわけです。
つまり、「部室にいる」ということこそが正解なのかなぁと思いました。
さらに、この問いは彼女たちだけでなく我々ファンの中でも意見が分かれると思います。
でも、かすみに言わせればそれらすべてが正解なのです。
ラブライブ!は肯定の物語、とはよく言いますが、まさにその通りなんですね。
(しずくの「むぅ・・・」は本当にかわいかったですよね・・)
7.レコーディング室のシーン
そして次はレコーディング室のシーンへ。
まず侑が
「学校にこんなとこがあるなんて知らなかった」
というセリフを言いますが、まさに我々視聴者の気持ちを代弁しているかのようです。
またこのセリフから、侑は
「様々なスクールアイドルに出会うことで、まだまだ「未知」が多い学校という名の世界を解き明かしていく」
という役割もあるのかなぁと感じました。
虹ヶ咲学園という広い世界で、様々な「好き」「やりたいこと」に触れて、どんどん見えている世界が広がっていく。
そして、そこで出会った色々な想いに対して「トキめき」を発見できる。
これが侑の真骨頂なのだと思いました。
そして、そんな侑に対してせつ菜が
「映像系の学科や部活が使っている収録ブースですからね。」
と解説してくれます。
これだけの設備があるならば、今後PVを作成するときにそれらが再登場するかもしれませんね。
そして、カラオケのデンモクのような装置の履歴からアニソンを見つけたせつ菜。
その曲を知っていた璃奈とアニメの話でヒートアップしているところで、こんなやり取りがありましたね。
侑「せつ菜ちゃん、アニメ好きなんだ。」
せつ菜「え?は、はい。親に禁止されているので、夜中にこっそり見ているんです。」
スクスタの設定どおり、やはりせつ菜はアニメ等を親に禁止されていたんですね。
これで、第3話で「親の声が聞こえたときにクローゼットに慌ててケースを隠した」理由が判明しました。
そしてこの話題から、愛はせつ菜の正体が生徒会長であることに気付きます。
愛「正体?ん~?あぁ~!もしかして、生徒会長?」
せつ菜「はい・・・」
ここが面白いのは、3話とのベクトルが全く逆である点です。
3話では、中川菜々から優木せつ菜という存在を導きましたよね。
そして4話では、優木せつ菜から中川菜々という存在を導きだしたわけです。
この観点は、「中川菜々」も「優木せつ菜」も確かに存在しているんだという裏付けになりました。
また、愛の「本質を見抜く力」に関心したシーンにもなりました。
そして、このシーンの最後のやりとりです。
愛「愛さんも、せっつーが話していたアニメ、チェックするね。」
せつ菜「え?」
愛「せっつーの熱い語り聞いてたら、楽しそうだなって思ったからさ!」
アニメを語る優木せつ菜を見て、そこに「楽しさ」を見出す愛。
やはり愛は、その人の中に眠る「楽しさ」を見出す力を持っているんだなぁと思いました。
まして、今まで正体を隠していて誰ともアニメ等の趣味を分かち合うことができなかったせつ菜にとって、この時の愛の存在はきっと眩しく見えたことでしょう。
またメタ的にみると、ここまでの一連のシーンは、愛を通して「メンバーが楽しいと思っていること」を我々に教えてくれる、というアプローチなのだと感じました。
8.部室のシーン④
そしてまたまた部室のシーンへ。
愛の祖母が作ったぬか漬けをみんなで食べていますね。
どうやらスクスタの「好きな食べ物はおばあちゃんのぬか漬け」という設定は引き継がれているようです。
そして、グループ別練習から帰ってくるメンバーをよそに、せつ菜は
「あぁ。かすみさん。お話があるので、ちょっと残ってもらえますか?」
とかすみを呼び止めます。
ここにも、せつ菜とかすみの信頼関係を感じ取ることができますよね。
9.ベンチのシーン②
そしてまたもやベンチのシーンです。
まず目を引くのがこのやり取りです。
エマ「しずくちゃんは、この後演劇部?」
しずく「はい。」
彼方「大変だね~。かけもち。」
しずく「好きでやっていることですから。」
まさに「演劇もスクールアイドルも頑張ります」と言わんばかりの受け答え。
「好き」の力がしずくの背中を押しているんだと改めて思いました。
そして、次に気なったのがこのやりとり。
エマ「同好会はどう?」
璃奈「楽しい。」
エマ「うん?」
愛「こんなにウキウキなりなりー、初めて見たよ!愛さんも楽しい!」
言葉とは裏腹に表情があまり変わらない璃奈に対して疑問を抱くエマ。
そして愛が助け舟を出すシーンですね。
ここで愛は、璃奈の表情から「ウキウキ」という気持ちを読み取ります。
きっと長く一緒にいたからこそ、なんでしょうね。
2人の紡いできた時間の長さを感じれる一幕でした。
そしてこの愛のセリフ。
愛「このメンバーでどんなライブすることになるんだろうって考えただけでめっちゃワクワクするよ。」
この愛のセリフは、改めて同好会に「今後のあり方」を考えさせましたよね。
とにかく練習に励んでいる今ですが、「どのようなライブをするか」という課題は残っています。
そして、各メンバーが同じ答えを胸に秘めていることも明らかとなりました。
このセリフの後、シーンが一度かすみとせつ菜に飛ぶのは、せつ菜のセリフ通り「ソロアイドル」という気持ちがみんなの中にあるためですよね。
違う場所にいても、同じことを考えている。
だからこそ、せつ菜とかすみのシーンがカットインするのだと思います。
そしてその答えに至った時、彼方としずくは口々に不安を口にします。
彼方「ちょっと考えちゃうよね~。グループはみんな協力し合えるけど、ソロアイドルは誰にも助けてもらえないだろうし。」
しずく「正直、かなり不安です。みなさんに喜んでもらえるだけのものが私一人にあるのでしょうか。」
特に、このシーンでソロの不安を語るしずくは印象的でした。
何度もステージに立っている彼女。
ですが、演劇を加味してもひとりで舞台に立つ機会は少なかったのではないでしょうか。
数多のステージを経験してきた彼女だからこそ、「1人」に圧し掛かるプレッシャーの大きさは容易に想像できたのだと思います。
10.教室のシーン
そして場面は教室のシーンへ。
書くメンバーがい抱いた「ソロ活動」という想いに、1人考え込んでいます。
愛「(正解がひとつならわかりやすいよね。スポーツにはルールがある。でも、愛さんたちの目指すスクールアイドルには、そういうのがなくて自分ひとり。愛さんだけで、どんなスクールアイドルがなれるのかな。愛さんの正解ってなんなのかな。こんなこと、今まで考えたことなかったよ。)」
このシーンで映っているのはキーボードとテストです。
この2つのアイテムが、愛の中の悩みを効果的に演出していますよね。
まずテストは、「正解がない」スクールアイドルとの対比ですよね。
決まている1つの答えを出せば点数がとれるテストにたいして、スクールアイドルはそもそも絶対的な正解はありません。
テストに例えるなら、「あ」と書こうが白紙だろうが正解になってしまうわけです。
ここで重要なのは、その答えに自分が納得できるかどうか、という点です。
自分の書いた答えに、自分自身がマルをつけられるかどうか。
自分自身を納得させられる答えを出すことができるのか。
愛はそんな悩みをひたすら自問自答しているように見受けられました。
また、キーボードに象徴されるのは、"情報処理科"という枠組みからプログラミングです。
これもテストと同じ観点です。
プログラムは、「何かを実現したい」という1つの答えがあり、それを実現できるように書いていくものです。
(「とりあえず漠然とプログラム書いたろ~。なんかできたらいいや。」みたいな人はあまりいません)
これに対してスクールアイドルは、「何をしたいか」というところから探すことになるわけです。
やりたいことがわかっていないと、プログラムなんて書きようがありません。
次の回想のスポーツも同じですよね。
ルールがある意味絶対的な正解で、それに従っていれば間違えることはない。
さらに、チーム戦なら自分のやるべきことが「ポジション」として与えられます。
その「ポジション」という役割が、試合中の自分のプレーに「正解/不正解」を与えてくれるわけですよね。
ですが、何度も言うようにスクールアイドルにあるべき姿・正解なんてありません。
それがソロならなおさらです。
チームとしてのポジションもない。あるべき姿もない。
愛はスクールアイドルという自由な世界に出会って、改めて自分の主体性を必死に探しているのだと思います。
自分らしさを考えて、見る手のひら。
彼女の手は、いったい何を掴むことになるのでしょうか。。。
11.愛の家ーレインボーブリッジのシーン
そしてシーンは早朝家からレインボーブリッジへ走る愛の姿のシーンへ。
走った先のレインボーブリッジで、愛はエマに出会います。
お互い早起きしたもの同士。
ソロアイドル活動のことが気がかりで早く起きてしまったのでしょう。
ここで気になったシーンが、愛の以下のセリフの後に映る橋げたのシーンです。
愛「同好会のみんなが悩んでるのって、自分を出せるかってことでしょ?今まで、いろんな部活で助っ人やってたけど、考えてみたら、みんなと一緒にやる競技ばかりでさ・・・。いや~、めっちゃハードル高いよね。ソロアイドルかぁ・・・。」
この橋げたのシーンは、まさに愛に圧し掛かっている「高いハードル」なのだと思います。
そして、この高いハードルを越えるきっかけになったのがエマの不意に出たこのセリフ。
「そろ(ソロ)そろ走ろっか?」
「9時(くじ)だし、もう行く時間(いくじかん)だよ?」
不意に出たこの言葉たちに、「ダジャレ」という要素を見出して笑う愛。
そしてエマは、この姿に愛の良いところを語りだします。
常に笑顔を絶やさず、前向きな姿勢が、一歩を踏み出す勇気がないメンバーの背中を押していること。
同好会に笑顔が溢れていること。
そう、愛は自覚をしていませんでしたが、これこそが「宮下愛」という1人の女の子の持つ力の真骨頂なんですよね。
ダジャレだと自覚せずに発言したエマの言葉から笑いの要素を見出した愛に対して、
自覚せずともいつも前向きで笑顔を絶やさない愛の姿からエマは「愛らしさ」を見出したわけです。
悩んでいた手のひらに、確かにつかんだ自分らしさ。
それは、太陽のように知らぬ間に誰かを「笑い」と「前向きな姿勢」で温かい気持ちにさせる自分自身の姿だったのだと思います。
そして急かされるように、まるで堰き止めていた壁がなくなった流水のごとく彼女は走り出します。
そう、未知なるミチは、今、彼女の前に開けたのです。
※ちなみに、「そろそろ走ろっか?」というダジャレのところは状況にも一致しますよね。
「そろそろ」→ソロ×2→エマと愛
「走ろっか?」→走り出す、という意味でソロ活動の始まり
12.サイコーハート後
そして披露した曲、サイコーハート。
そこで彼女は、ひとつの事実にたどり着きます。
「(みんなと一緒・・・ステージは、ひとりじゃない!)」
「一人だけど一人じゃない。」
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会らしさとも呼べるその想いを、彼女は理解しただけでなく、曲に乗せてメンバーへと届けてくれましたよね。
まさに先ほどのシーンのエマの言葉通り、「ひとりじゃない!」という想いが伝播することによって、一歩踏み出す勇気をみんなに与えることができたわけです。
13.部室のシーン⑤
そして最後はやっぱり部室のシーン。
やはりひっかかるのは歩夢のこのセリフですよね。
「侑ちゃん、幼稚園の頃からずっと笑いのレベルが赤ちゃんだから」
「この設定生きてたんだ・・・」と思わず口角が上がってしまいましたね(笑)
そしてダジャレを続ける愛とかすみのやりとり。
かすみ「なんでいきなりダジャレを?」
愛「スクールアイドルの特訓だよ!
駄洒落がスクールアイドルの特訓になる理由。
それは彼女のダジャレが生み出す笑顔が、愛らしさで。
そこから彼女の「スクールアイドル像」が生まれてくることを理解したからですよね。
また、ダジャレを「言葉は1つだけど意味は1つじゃない」という風に捉えると、「1人だけど1人じゃない」という先ほどのセリフに繋がりますよね。
いるだけで太陽のようにみんなを明るく照らしてくれてるような存在。
いつのまにか愛は、同好会になくてはならない存在になっていたのです。。。
最後に、エマが空を見上げたのは、目の前で特訓する愛を見て、自分のルーツ、つまり海の向こうの故郷を思い出したからなのでしょうか・・・。
以上、ラブライブ!虹ヶ咲スクールアイドル同好会第4話「未知なるミチ」の感想でした。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
次回!「今しかできないことを」!!