虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第6話「笑顔のカタチ(〃>▽<〃)」感想
こんにちは。さめです。
今回はタイトル通り、
テレビアニメ
の感想を綴るシリーズです!
というわけで、今回は第6話「笑顔のカタチ(〃>▽<〃)」をみて思ったこと、考えたことをまとめてみました。
読んでいただけると幸いです!
- 1.教室のシーン①
- 2.廊下のシーン
- 3.野外のシーン
- 4.部室のシーン
- 5.ジョイポリスのシーン
- 6.部室のシーン②
- 7.練習のシーン①
- 8.璃奈の家のシーン
- 9.練習のシーン②
- 10.屋上のシーン②
- 11.璃奈の家のシーン②
- 12.ジョイポリスステージ
- 13.ツナガルコネクト後
- 14.教室のシーン②
1.教室のシーン①
冒頭は桜満開の学園。璃奈が入学した当初のシーンから始まりました。
ゲーセンに行く予定を立てるクラスメート達に、1人帰り支度をする手を止める璃奈。
「変わりたい」という想いから勇気を振り絞ってクラスメートの会話に入ろうとする彼女の姿は、とても健気にみえ、そして背中を押したくなりました。
ポケットから少し顔を覗かせるジョイポリスの割引券は、まるで彼女の喉元で止まってしまった「私も行く」という言葉のようです。
ジョイポリスの割引券がきっかけを作ったこのシーン。
ジョイポリスの割引券を「紙」と捉えると、これまでのラブライブ!シリーズの物語を動かしてきた重要なアイテムに「紙」が多いことに気が付きます。
ほんの一例をあげてみると、
ラブライブ!:「μ's」と書かれた紙
ラブライブ!サンシャイン!!:TOKYO SCHOOL IDOL WORLDの順位表(紙飛行機)
と、「紙が繋げた物語」を意識することができます。
もちろん、各シリーズで「紙」が指す意味や、その重要度は変わります。
ですが、日常に溢れる「紙」が物語を大きく動かす、という観点は共通して面白いですよね。
2.廊下のシーン
そしてシーンは、教室をでた璃奈を追いかけるように廊下へ。
ここで目を泳がせる璃奈は、各々友人たちと談笑している生徒たちを見ているのでしょうか。
それとも、廊下にいる生徒たちの表情を見ているのでしょうか。
璃奈「(想いを伝えることって難しい。私の場合は特にそう。)」
璃奈のこの想いは、我々に「想いを伝える手段として、表情が如何に役に立っているか」を教えてくれるようです。
3.野外のシーン
そして彼女は下校のため校舎外へ。
ここで印象的なのが、窓に映った自分の顔に笑顔を上書きするシーンです。
きっと、璃奈はいままで何度もこうやって笑顔を作っていたのだと思います。
表情は、自分では見えないからこそ難しい。
「作り笑顔」という言葉がありますが、璃奈にとっては文字通りの意味になってしまっていたのでしょう。
そんな彼女は、運命の出会いを果たします。
そう、宮下愛との邂逅です。
まず気になるのはこのアングル。
これは璃奈の目線ですよね。
彼女の目にまず飛び込んでくるのは愛の胸元のリボン。
リボンは色によって学年を示していますから、璃奈はまず相手が「上級生」だということに気が付きます。
また、ちょっと目線をあげると、愛の口元があります。
このスマイリーな口元は、たった今窓に上書きした笑顔まんまですよね。
偶然か運命か、璃奈は自分が描いた笑顔を持つ少女に出会えたわけです。
次に気になるのがやりとりです。
璃奈「(上級生…怖い…)」
愛「怖くないよ~。なんか君、元気なさそうだったからさ」
璃奈の「(上級生…怖い…)」は口に出していません。
それなのに愛は、「怖くないよ~。」とまるで読心術を使ったかのように答えます。
この「想いを読み取ってくれる人が現れた」という事実は、璃奈に驚きと喜びを与えたのだと思います。
璃奈が愛といつも一緒にいるのも、無理して表情を作らずとも愛は璃奈の感情を読み取ってくれるから。
彼女の人生を変えることとなったこの出会い。
もしかしたら、「楽しいの天才」である愛を、「楽しいことが詰まっている」ジョイポリスの割引券が引き寄せたのかもしれません。
そして、愛は璃奈がもつジョイポリスの割引券を発見します。
璃奈「お友達と行ってください。」
愛「う~ん・・・じゃあ、一緒に行こっか!」
璃奈「えっ?」
璃奈が「お友達と・・・」言っているのに愛が璃奈を誘うのは、璃奈のことをすでに友達だと思っているからですよね。
友達を作りたかった璃奈。
偶然にもその願いが叶ってしまった時の彼女の「え?」という表情に、すこしだけ嬉しさが浮かんでいるように見えました。
自分の表情ばかりを写すガラスの世界から、手を取って連れ出した愛。
いつもなら見慣れている景色も、「友達と一緒」という事実が彼女の既知の世界を変えていくのだと思います。
4.部室のシーン
そしてシーンは部室へスライドしていきます。
ここで時系列は、璃奈のセリフ通り回想から今へと戻ってきます。
「(そして今の私は、もっとたくさんの人たちと繋がりたいと思っている。今からでも、変われるんだ...!)」
ここの璃奈の「もっとたくさんの人たち」。
これはきっと同好会メンバーでもあり、これから出会う人たち、スクールアイドルという概念に照らせば自分のライブを見てくれるお客さんとたちのことですよね。
そして、彼女が「今からでも、変われるんだ!」と強く想ったのも、スクールアイドル同好会でメンバーのさまざまな変化を見てきたからなのだと思います。
5.ジョイポリスのシーン
そしてシーンは、ジョイポリスでゲームに興ずる歩夢・侑・璃奈・愛の場面へ。
ゲームが終わり、メンバーはそれぞれ以下の会話を繰り広げます。
歩夢「子供の時に来たことあるけど、今はこんなアトラクションもあるんだね!」
侑「2人ともすっごく上手かったよね!」
愛「えへへっ♪ りなりーとは結構来てるんだ♪」
きれいにカップリングで分かれたこのシーンは、歩夢・侑の幼馴染という硬い絆と同じように、愛と璃奈の間にも硬い絆がある、ということを教えてくれているかのようです。
そして璃奈は、侑の
「今日はダメだったけど、今度みんなで来ようよ!」
というセリフに対してすこし驚いたような表情を見せます。
おそらく侑の「みんなで」という表現に、璃奈は自分にもみんなで遊べるような繋がりができたことを再確認したからなのだと思います。
また、このあと目を斜め上にあげるのは、あの時誘えなかったクラスメートのことを考えて、なのかもしれません。
そして一行は偶然にも、璃奈のクラスメイトと出会います。
クラスメイトA「スクールアイドル同好会のPV見ました!愛さんサイコーでした!」
愛「わぁ・・・!ありがと~!」
クラスメイトB「歩夢ちゃんも可愛くて、私ファンになっちゃいました!」
歩夢「直接感想言ってもらうの初めて!嬉しい!」
目の前でPVから始まった「繋がり」を見た璃奈は、一歩引いてしまいます。
もちろんクラスメイトは、璃奈のPVにも触れます。
「天王寺さんのもみたよ!」
「あのキャラ、面白いよね!」
「うんうん!動きとか!」
自分の作ったPVを褒められているのに、なんだか釈然としない態度の璃奈。
これはきっと、PVに出ているのは本当の自分じゃないから、なのでしょうね。
あくまでキャラクターと動画が褒められただけ、と感じているのだと思います。
アニメーションPVなら、自由に自分の思い描く表情、笑顔を作れる。
つまり、「『できないこと』を克服した理想の自分」を描いたPVを作ることができるわけです。
「理想の自分」の動画をみたクラスメイトと、まだそこまで達していない現実世界の自分自身。
そこに差があることを改めて彼女は実感したのだと思います。
そして、クラスメイトは
「ジョイポリスのステージ、最近スクールアイドルもよくライブしてますよね!」
「先週、近くの東雲学院もやったみたいですよ。」
と、ジョイポリスでスクールアイドルのライブが行われていたことを話してくれます。
まず注目するのが「東雲学院」。
ご存じの方も多いと思いますが、この「東雲学院」は近江彼方の妹、近江遥の所属学校となっています。
ここが次回の話への伏線となっている・・・のでしょうか。
そして、次の発言が璃奈の背中を押すことになります。
クラスメイト「はやく皆さんのライブみたいです!」
クラスメイト「私も見たいです!ライブやってくださいよ!」
璃奈「(友達に、なりたい・・・!),」
ずっと心に秘めていた「友達になりたい」という想い。
理想の自分を描いたPVを「理想」のままに留めておきたくないという願い。
スクールアイドルとして生身の自分がライブをして、いろんな人とつながりたいという夢。
そんな気持ちたちが彼女を新たな決断へと導きます。
璃奈「やる。私、ここでライブやる!」
スクールアイドルにとって、初めてのライブはいつも不安がつきもの。
それがソロステージともなれば尚更ですよね。
ですが璃奈は、それをはねのけるくらいの固い意志と強い勇気をここで発揮します。
ずっと1人だった自分の人生に舞い降りた千載一遇のチャンス。
いままで彼女の心の中にあった蟠りが全て解消されるような奇跡のステージ。
その出会いが、あの日、ジョイポリスの割引券一枚から始まったと思うと「運命」を感じられずにはいられませんでした。
6.部室のシーン②
そしてシーンは部室へ。
ジョイポリスでライブをやることをメンバーに告白した直後から始まります。
突然ライブをやると言い出した璃奈に驚くメンバー。
ですが、璃奈の
「いろいろ足りないのはわかってる。でも、みんなに見てほしくなって。それに、PVはキャラに頼っちゃったから。クラスの子たちは良いって言ってくれたけど、あれは、本当の私じゃないから・・・」
という、「キャラクターに頼らず、自分の力で繋がりを手にしたい」というストイックで真摯で、それでいて純粋な強い想いは、メンバーたちの心を動かします。
愛「いいんじゃない?」
エマ「決めるのは璃奈ちゃんだよ。」
しずく「私は璃奈さんの決めたことを応援しますよ!」
せつ菜「そうです!チャレンジしたいという気持ちは大事なことだと思います!」
止めるメンバーがいないどころか、応援すらしてくれる。
これがライバルでもあり仲間でもある虹ヶ咲の最大の利点ですよね。
ソロ主体だからこそ、誰かのソロのステージを、ステージに立たない残りのメンバーが全力で応援できるし、手伝うことができる。
「1人だけど1人じゃない」という言葉を思い出すような、実に虹ヶ咲らしいシーンでした。
そして、この提案に璃奈が下を向くのは、嬉しさからなのでしょうか?
それとも、「みんなが璃奈のステージに協力する」というプレッシャーからなのでしょうか・・・?
7.練習のシーン①
ここからは、グループに分かれて様々な特訓を受けるシーンになります。
まずは屋上。果林・エマ・侑・璃奈で柔軟です。
果林「曲がるようになったわね!」
エマ「毎日、柔軟していたもんね!」
この果林とエマのセリフから、璃奈がどれだけ熱心に練習していたかがよく割りますよね。
次は校庭。しずく・彼方・かすみ・璃奈で発声の練習です。
ここでも璃奈は、汗をかきながらも必死に発声をこなしています。
そして最後に部室。侑・愛・かすみ・歩夢・せつ菜・璃奈でMCの練習です。
ここで好きなやり取りがこれです。
璃奈「(2人のMCを見て)難しそう・・・」
かすみ「う~ん、そっか・・・まぁ、MCをやらないスタイルもありますからね。」
せつ菜「今度のライブでは、やらない方向でいきますか?」
璃奈「ううん、やる!今回は、できないからやらないは、なしだから。」
難しい、と正直に告白するも、やらない選択肢を取らないところにまたもや璃奈の熱意を感じますよね。
特にMCは、あの日クラスメイトに言えなかった「一緒に遊ぼう」という言葉を意識しているのかもしれません。
また、「できないからやらないは、なし」という言葉は、これまで表情を作れずに囚われていた自分との決別のように聞こえました。
8.璃奈の家のシーン
そしてシーンは璃奈の家へ。
侑「えっ!?スマホで開けたの!?」
璃奈「家のことは全部、これでできるようにしてある。」
というやり取りをしながら、マンションの扉や、自室のカギをスマホを使って開ける璃奈。
少し専門的になってしまいますが、このような技術は「IoT(Internet of Things)」、和訳すると「モノのインターネット」と呼ばれています。
いろいろなモノがネットワークに繋がってるから、手元のスマートフォンでネットワークを介しながら色々なものを操作することができます。
(わかりにくい方は、ロックマンエグゼシリーズを思い浮かべるといいかもしれません。いろんなものにプラグインできますよね。あんな感じです。)
なぜ私がこの話をしたかというと、この技術の
「繋がることでいろいろなものを動かすことができる」
という利点がまさに璃奈の理想そのもだと感じたからです。
インターネットで繋がることで、モノを動かすことができるのがIoT。
笑顔で、感情で繋がることで、ココロを動かすことができるのが璃奈のやりたいこと。
彼女が抱く想いは、こんなところにカタチとして現れたのかもしれません。
そして部屋に入った璃奈は、ポツポツと自分について語り始めます。
璃奈「私、小さい頃から表情出すの苦手で、友達いなかったから。一人でできる遊びばっかりしてたんだ。だから、高校生になって、こんなに毎日がワクワクするなんて思わなかった。こんなに変われるなんて思わなかった。みんなに、すごく感謝してる。私、頑張るよ!」
まさにラブライブ!らしい、素晴らしいセリフですよね!
彼女の「変わりたいという想い」と、「スクールアイドル」という概念が、彼女の見えている世界、そして、今璃奈自身も変えていきます。
それを「ワクワク」と表現し、「みんなへの感謝」を口にする彼女の生き様が眩しく見えてきます。
璃奈の背中を押したくなる、応援したくなる素晴らしいシーンだと思います。
9.練習のシーン②
そしてシーンは、いろいろな練習を経て校庭へ。
いったん休憩する3人のもとへ、クラスメイトたちが駆け付けます。
ここで璃奈は、あの時口にすることができなかった言葉をクラスメイトへ投げかけようとします。
あの時は違う、変わった「天王寺璃奈」を引っ提げて。
自身の成長の証が、コトバに変わるその瞬間。
不意に窓に映る自分自身を見てしまった璃奈。
窓に映る彼女は、微笑んでいなかった。
声も気持ちも大きくなっているのに、表情がついてこない。
彼女の見える世界は変わった。
だが鏡に映る自分の表情だけは変わることがなかった・・・。
必死に練習してきたけど、一番変えたかったところを変えることができていなかったことに気づいた璃奈の心中を考えると、胸が痛いですよね。
みんなからサポートしてもらって、期待を一身に背負って、自分か変わりつつあることと実感した時に直面したら、逃げ出したくなる気持ちもわかります。
ここまで強い意志でしっかりと歩んできた璃奈ですが、このシーンでは若干高校一年生の少女なんだということを改めて思い出させてくれました。
そして家にたどり着いた璃奈。
ドアを閉め、カーテンを閉め。
璃奈は1人だけの真っ暗な世界に閉じこもってしまいます。
誰かにとっては自然にできることも、誰かにとっては必死に頑張ってもできないことがある、ということを痛感したシーンとなりました。
10.屋上のシーン②
そしてシーンは、別日の練習の場面へ。
果林「練習、始める?」
侑「え、でも璃奈ちゃんが・・・。」
果林「出ないでしょ、連絡しても繋がらないんだから」
果林のこのセリフは、まるで
「色々な人と繋がることを夢見ていた璃奈が、誰とも繋がらなくなってしまった。」
という皮肉を示唆しているかのようです。
そして続いて、
かすみ「なんでですか?りな子のライブは明日なんですよ!あんなに頑張って準備していたのに!」
果林「決めるのは璃奈ちゃんよ。」
このやりとり。
ここ、果林は実はエマと同じことを言っています。
璃奈がライブをやる、とメンバーに伝えた部室のシーンでの
エマ「決めるのは璃奈ちゃんだよ。」
というセリフですね。
ですが、同じ言葉でもこのシーンでは違う意味で聞こえてきます。
エマのニュアンスは「ソロだから、璃奈の選択1つでライブをすることができるよ」、というポジティブな感覚。
そして果林のニュアンスは「ソロだから、璃奈の選択1つでライブをやらない、中止にすることすらできてしまう」、というリスクにおわせる感覚です。
色々なスクールアイドルが痛みを抱え、楽しいことだけじゃない青春を謳歌する例にもれず、「ソロ」を主体とする虹ヶ咲は「演者1人の選択の重さ」という点を提示してくれています。
なんだか突き放し気味の果林ですが、エマが
「果林ちゃん、拗ねてる?」
と果林の本心を見抜きます。
すねているのは、璃奈を必死にサポートしてきた証ですよね。
この後みんなで璃奈のところへ行くことになりますが、モデルの仕事を休みしていたあたり、一番行きたがってたのは果林なのかもしれません。
11.璃奈の家のシーン②
そしてシーンは再び璃奈の家へ。
真っ暗な世界の璃奈を照らすのは、歩夢やかすみの自己紹介動画。
つまり、「スクールアイドルという名の光」ですよね。
彼女がまだスクールアイドルをあきらめていないことがわかります。
そしてここで、唯一外の世界へと通ずるスマホにインターフォン前にいるメンバーみんなが映し出されます。
スクールアイドルをあきらめたくないという気持ちで真っ暗な世界へと持ち込んだスマホが、外の世界のみんなと繋げてくれた。
このあとの愛の
「少しだけ、いいかな?」
というセリフに呼応して開く扉は、まるで璃奈の心の扉のようです。
そして璃奈の部屋と辿りついたメンバー一行。
彼女の暗い部屋は、彼女の心そのもの。
さらにその奥深くに閉じこもっていた彼女は、まさに「合わせる顔がない」といった様子です。
そして愛は璃奈に優しく
「どうしたの?」
と、しゃがんで目線を合わせながら尋ねます。
この「璃奈の目線に合わせてしゃがむ」という行為は、愛と璃奈が最初に出会った時の
「璃奈が愛を見上げる」という行為の逆ですよね。
時間を経て、愛と璃奈は自然と同じ目線で気持ちを交わすことができた表れなのでしょうか。
ここで、璃奈は心配してくれた同好会のメンバーに本心を包み隠さず吐露します。
昔から表情で失敗して、友達がいないこと。
愛と出会ってスクールアイドルのすごさを知ったこと。
スクールアイドルに出会ってもう一度変わる努力を始めたこと。
そして、自分の表情が過去の失敗を想起させて、自信を喪失していること・・・。
ある程度の詰問は覚悟していた璃奈。
ですが、そんな璃奈の耳に届いたのは
侑「ありがとう。」
侑「璃奈ちゃんの気持ち、教えてくれて。」
愛「うん!愛さんもそう思うよ!」
というまごころ溢れる優しい言葉たちでした。
虹ヶ咲メンバーが璃奈の家へと訪ねてきたのは、決して璃奈を責めたてたり問い質したいからではなく、璃奈の本心を知りたいから、ということがわかりますよね。
そして、できないことにとらわれていた璃奈に、
侑「今はまだ、できないことがあってもいいんじゃない?」
しずく「そうですよね。璃奈さんにはできるところ、たくさんあるのに。」
歩夢「頑張り屋さんなところとか。」
果林「諦めないところもね。」
侑「機械にも強いし。」
せつ菜「動物にも優しいですよね。」
という、まるで毛布に包まれるかのようなあったかい言葉たちが璃奈の心へ届きます。
彼女が全力で練習してきた、ここまでの軌跡は嘘をつかない。
ちゃんとその姿勢はメンバーに届いていたことがわかります。
そして最後はかすみのこの素敵なセリフ。
「ダメなところも武器に変えるのが、一人前のアイドルだよ。」
ほっっっっっっっっっっっっっっっっっっとに素晴らしいセリフですよね!
優しい口調で、璃奈によりそうようなかすみの素敵なこのセリフ。
このセリフはかすみにしか言えないセリフですよね。
例えば、発生練習のシーンでは、お世辞にもできていたとはいえなかった。
ですが、かすみはそれすらも自身の可愛さとして身にまとっています。
「できない私も可愛いよね」と、言葉の通り自身の武器に変えてしまっています。
アイドルは良く「誰からも知られ愛される存在」と揶揄されますが、「できないこと」も含めて「愛される存在」になるのだと思います。
また、「できないこと」は言い換えれば「成長の可能性」です。
最初から完璧で、何をやらしてもできてしまうアイドルを、私は応援することは難しいと考えています。
何度もステージ立って。
できないことを1つずつ克服して。
「できたこと」や「夢」を積み上げた階段をひたすら上って、頂上にある一番輝かしいステージへと昇っていく。
そんな「成長の物語」を秘めた存在こそが、私はアイドルなのだと思っています。
・・・話がそれてしまいましたが。
「できないこと」を受け入れてくれる仲間がいる。
「できないこと」を受け入れてくれるスクールアイドルというステージがある。
改めてそれを知ることができた璃奈は、きっと嬉しかったに違いありません。
そして、せつ菜のこの一言が、璃奈のライブスタイルを決定づけることになります。
「こういうお話できたの初めてですね」
そう、段ボールをかぶっているおかげで、表情を作れないこと、表情で誤解される怖さに囚われず本心を話すことができたことに気付くのです。
表情は、「作り笑い」や「愛想笑い」等で、人の本心を隠すこともできます。
ですが、璃奈にはそれができません。
だからこそ、璃奈がここから作っていく表情は、彼女の本心そのものなのです。
段ボール越しに浴びた日の光が、璃奈ちゃんボード越しに浴びるステージの光へと変わっていきます。
そんな眩い白い日の光が、彼女のイメージカラーへ変わっていく・・・。
そんなことを考えさせてくれる感慨深いシーンとなりました。
12.ジョイポリスステージ
そしてシーンはジョイポリスのステージ、ライブ当日へ。
九人の「頑張れ!」という想いをのせて、光へ向かっていく璃奈の姿は、涙を誘うほど美しい光景ですよね。
また、このシーンは声優アニメディア201909号の田中ちえ美さんのインタビューを想起させました。
(虹ヶ咲の良さはどこか?という質問に)
「ソロでステージに立つため、メンバーのパフォーマンスを客観的に見ることが多い」
「舞台袖で『いってらっしゃい』『おかえりなさい』という挨拶が言い合える。そうやって生まれる絆はとても強い。」
まさにこのインタビュー通りとなったこのシーン。
きっと田中さんも、そんな虹ヶ咲の良さを実感しながらアフレコをしていたのかもしれません。
そして璃奈ちゃんボードを装着し、ステージへ上がる璃奈。
ふとステージの床に映るボードの表情を見る彼女。
ですが、もう表情で誤解される怖さには囚われません。
璃奈ちゃんボードが映し出す笑顔が、彼女の心に響きます。
笑顔は誰かを、そして自分自身を楽しい気持ちにさせることを、彼女は身をもって知ったのだと思います。
13.ツナガルコネクト後
そしてシーンはツナガルコネクト披露後へ。
ここで目を引くのが、舞台裏で拍手するメンバーです。
みんなが協力して作ったこのステージ。
「ソロ」というコンセプトは、観客にすらなれてしまうんですね。
1人だけど1人じゃない。
協力してくれた人、見に来てくれた人、そして自分自身。
いろんな人を繋いだ彼女のステージは、彼女に最高の笑顔をもたらすことになりました。
14.教室のシーン②
そしてシーンは冒頭と同じように教室のシーンへ。
クラスメイトが璃奈のもとへ駆け寄った時に、その場で作る璃奈ちゃんボード。
それは、ライブ内にとどまらず、彼女の1部になっていました。
我々から表情をなくすことができないように、璃奈と璃奈ちゃんボードは切っても切れない関係になっていたんですね。
また、この璃奈ちゃんボードはその場で手で描くことにより、自分も相手にどんな表情を向けているかがわかりますよね。
彼女の作る璃奈ちゃんボードの表情は、「見る人に伝えたい想い」に溢れているのだと、そう思いました。
以上、ラブライブ!虹ヶ咲スクールアイドル同好会第6話「笑顔のカタチ(〃>▽<〃)」の感想でした。
長い記事、ここまで読んでくださりありがとうございました!
次回!「ハルカカナタ」!!